朝霧が流れ、川面に陽光が差し込む。9月11日、北海道浦幌町の浦幌十勝川河口。丸木舟に乗った男たちが刺し網をたぐると、銀色にきらめく秋サケが次々と揚がった。

 アイヌ民族の団体「ラポロアイヌネイション」(旧・浦幌アイヌ協会)が、伝統文化の継承を目的として道の許可を取り、2年前から実施しているサケ漁。この日は33匹を捕獲した。

 漁の後、サケの遡上(そじょう)を迎える儀式「アシリチェプノミ」が...