W杯カタール大会決勝トーナメント初戦の相手は前回準優勝のクロアチア。海外サッカーの観戦歴が40年以上で、1998年フランス大会の日本-クロアチア戦を現地で見た医師坪内研二さん(72)=松江市宍道町宍道=は「サイドからの仕掛けに勝機あり」とみる。
68年メキシコ五輪で日本が3位と躍進したことで興味を抱き大学サッカー部に所属。初めて海外で観戦した試合はロンドンでのイングランド-イタリア戦で「文化や宗教、国民性で全く違うプレーになるのが魅力」ととりこになった。
観戦熱が高じ、日本が初出場したW杯フランス大会後、現地観戦した記念にと記録集をまとめた。その後もサッカー好きの知人に寄稿してもらいながら5大会連続で制作し毎回、約200冊を印刷し知人に配布。今大会も予定する。
クロアチアは生観戦した98年の印象が強烈という。日本は果敢に攻めたが、得点力不足で決めきれず0-1で敗退した。クロアチアは「東欧のブラジル」と呼ばれた旧ユーゴスラビアの一部だった歴史もあり、個人の技術の高さが光った。その点は現在も引き継いでいるように映るという。
今のクロアチアは、世界最優秀選手賞「バロンドール」に選ばれた経験もあるスーパースターのモドリッチが率い、手ごわそうだが、坪内さんは「過去にW杯で戦ったことがあるという経験が生きるはず」と期待する。
手堅い守備と1次リーグで対戦した強豪ドイツ、スペインにも積極的に仕掛けたサイドからの攻撃がクロアチアにも有効とみて「2-1で勝ってベスト8に行ってほしい」と願った。
(井上雅子)