出雲の夕日をイメージしてオレンジ色にするなど島根らしさを取り入れたヨーヨー
出雲の夕日をイメージしてオレンジ色にするなど島根らしさを取り入れたヨーヨー
ヨーヨーをする吾郷雄飛さんの動画のQRコード
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自分が設計し、商品化したヨーヨーで技を披露する吾郷雄飛さん=出雲市内
自分が設計し、商品化したヨーヨーで技を披露する吾郷雄飛さん=出雲市内
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自分が設計し、商品化したヨーヨーで技を披露する吾郷雄飛さん=出雲市内

 競技用ヨーヨーを設計、販売する学生が出雲市にいる。吾郷雄飛さん(18)=中野美保南1丁目=は趣味が高じて自ら製造工場も見つけ、出雲や島根をイメージした4商品約150個を受注販売した。将来は資金面の課題を克服し、量産して広く知られる存在にするという夢に向かって突き進む。  (月森かな子)

 5年前の2017年、小学生の時に流行し遊んだ玩具メーカーの「ハイパーヨーヨー」を自宅で見つけ興味が再燃した。「今のヨーヨーはどうなっているのか」。インターネットで調べると、技の成功率や難易度で競う全国大会が開かれ、小学生の頃と違った世界が広がっていた。自身も競技用ヨーヨーを買って特訓。大会の動画を見て技を習得するだけでなく、アレンジを加えて独自の技を考える楽しさを覚え、のめり込んだ。

 練習を重ねるうち、使っていた重さ65グラムほどのヨーヨーは軽くコントロールしづらいと感じ、自分に合った機種を作ろうと21年3月、独学で設計の勉強を始めた。既製品を分解して寸法を測るなど構造を確認し、扱いやすさや性能、見た目を意識してコンピューター利用設計システム(CAD)で設計図を作成。その間にネットで中国のヨーヨー専門工場を見つけて生産のめどを付けた。

 交流サイト(SNS)などで知り合った愛好者4人と自身で計約7万円を集め、5個を試作。愛好者に使ってもらい微修正し、購入者も集めて21年9月に重さ75グラムの第1弾商品80個を各8500円で受注販売した。

 第1弾はアルミ合金とステンレスを素材に、色は日本海に沈む出雲の夕日をイメージしてオレンジにした。新型コロナウイルス禍で遠出ができない代わりに自転車で近場を巡る中、豊かな自然や美しい景色に触れ、あらためて地元の良さを感じたからだ。重さや素材が異なる後継3機種も「勾玉(まがたま)」と名付けたり、県花の「ボタン」に似せたデザインを施したりした。

 郷土色をさらに追求した商品を作りたいとの思いがあり、地元企業と連携を展望。「まずは島根でヨーヨーを作っていることを広めたい」と意気込む。プレーヤーとして出雲市内で「山陰ヨーヨー練習会」を主宰し、愛好者の拡大も図っており、商品、競技の両面で認知度向上に励む。

 問い合わせは、メールconsoleilyoyos@gmail.com