【浜田】浜田市三隅町岡見の市立岡見小学校の6年生が12日、同町古市場の石州和紙会館で伝統工芸品・石州和紙を使った卒業証書作りに挑戦した。地元の和紙職人の指導を受けながら、思い出の一枚にしようと懸命に紙すきに励んだ。
三隅町内の2小学校では毎年、地元の伝統工芸品に触れる機会をつくろうと、卒業前に和紙の証書作りに取り組んでいる。岡見小では校庭で昨春からコウゾの苗を育て12月に刈り取り、原料となる皮を剥ぎ準備を進めてきた。
児童6人が西田和紙工房の西田勝さん(36)から手順を教わった。コウゾの皮が入った液状の紙料を専用の木枠ですくい上げ、紙の厚みを均一にするため前後左右に揺らすよう助言を受け、黙々と作業に取り組んだ。脱水と乾燥をした後、校章入りのA3サイズの和紙が完成すると、感触を確かめ、笑顔を見せた。
大山莉奈(りな)さん(12)は「卒業式で受け取るので、きちんと形を整えるのが難しく緊張した。うまくできてよかった」と話し、西田さんは「証書作りをきっかけに、地元に誇れる伝統工芸品があることを忘れないでほしい」と期待した。(宮廻裕樹)