引退表明後、花束を受け取り笑顔を見せる隠岐の海=東京都墨田区、両国国技館
引退表明後、花束を受け取り笑顔を見せる隠岐の海=東京都墨田区、両国国技館

 大相撲西前頭12枚目の隠岐の海(37)=本名・福岡歩、島根県隠岐の島町出身、八角部屋=が14日、両国国技館で記者会見を開き、現役引退を表明した。ファンの期待を背に関脇にまで上り詰めた18年間の土俵人生を「これだけたくさんの声援をいただき、悔いはない」と振り返った。 (原田准吏)

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 日本相撲協会の理事長を務める師匠の八角親方と共に会見に臨んだ隠岐の海は「自分の相撲、思い切った相撲が取れなかった」と、ここ数年の苦しい胸の内を明かした。

 今場所は初日から5連敗し、6日目(13日)から休場。「これまでは何とか気持ちでカバーしてきたが、3、4日目に気持ちが切れた」と引退の決断に至った経緯を説明した。

 得意の四つ相撲を武器に幕内在位は75場所に達し、通算成績は107場所で674勝675敗32休。息の長い土俵人生を「入門した時からやめるまで『前に、前に』という親方の言葉を大事にしてきた」と思い返し、地元ファンの応援については「ありがたい」と感謝した。隠岐の島町で合宿を開いてきた八角親方も「島の人たちの応援で頑張れた」と話した。

 隠岐の海は年寄「君ケ浜」を襲名し、今後は八角部屋付きの親方として後進の指導に当たる。引退相撲は9月30日に予定している。