蝶花楼桃花さん
蝶花楼桃花さん

努力は夢をかなえてくれる
さまざまな方面から挑戦

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が19、20日、松江、米子各市であった。落語家の蝶花楼桃花氏が「努力は夢をかなえてくれる」と題して講演し「夢の実現にはさまざまな方面から挑戦することが大切だ」と力を込めた。要旨を紹介する。

蝶花楼桃花さん大型インタビュー 落語の新時代を切り開くリーダー

 私は元から落語家になりたいという人生を歩んできたわけではない。幼稚園の時に見たミュージカルに感動し、「ミュージカル女優になるんだ」と言ってきた。友達がジャニーズを追いかける中、私は宝塚に憧れてお小遣いをためて劇場に足を運び、新体操やクラシックバレエを習い、一生懸命に取り組んだ。

 いざ宝塚音楽学校を受験する年齢になった時、身長制限(当時)があることを初めて知り、断念した経験がある。ミュージカルの専門学校に進み、数多くオーディションを受けた。24歳の時には7歳さばを読み、女性アイドルグループ・AKB48のオーディションを受けたこともある。

 落語を含む伝統芸能はオーディションに落ちまくる日々で出会った。柔軟な考えを持っていそうだった春風亭小朝師匠の公演会場に飛び込み、その場で弟子入りした。2、3回は断られるものだと思っていたのだが。

 さて、「夢の回収」はここからだ。15年間の修業を経て真打ちとなって活動の幅を広げる中で、大地真央さん出演のミュージカルのキャスティングを受け、2カ月で45公演に出演する機会を得た。

 さらに、30歳以上対象の「大人AKB」のオーディションを知り、再び応募した。最終選考で秋元康さんに「へー、また来たんだ」と言って落とされたのだが、これをきっかけに旅番組にAKBメンバーと一緒に出演するなど、次につながっている。

 私は表現者になりたいという夢に執着し、執念を燃やしてきた。今、努力が実を結んでいる実感がある。夢の実現には核になるものは絶対に捨てず、破れてもさまざまな方面から挑戦を続けることが大切だ。

 (勝部浩文)