若者の政治への関心を高めてもらおうと、島根大の学生団体「ポリレンジャー」が身近なテーマから政治参画を考えるイベントを開き、学生など25人が参加した。 (本社報道部・井上雅子)

 イベントは「ポリユニオン」と名付け、松山市を拠点に主権者教育を進める活動に取り組む一般社団法人「WONDER EDUCATION」の越智大貴代表(35)をゲストに迎えた。参加者を5人ずつの少人数に分けて「自分ならどうやって政治参画するのか」という議題について意見交換した。交流サイト(SNS)を通じ、越智代表がポリレンジャーに声をかけて実現した。

政治参画について議論する参加者=松江市西川津町、島根大

 総務省主権者教育アドバイザーとして研究や実践をする越智さんからアドバイスを受け、参加者は白い紙に「身近な話題と政治を結びつける」「不在者投票の周知」「世代間があっても考えを押しつけ合わない」などと書き込みながら話し合った。
 

自分の意見を書き出す参加者=松江市西川津町、島根大

 ポリレンジャーの法文学部2年、秋本大空(たく)代表(20)は「高校生や大学生が政治に対して活発に議論できてよかった。今後の活動に生かそうと思う」と振り返った。

 越智さんは「政治に参加するには社会について疑ってみることが大事だ」と説き「政治は社会の利害を調整し意思決定する場で、選挙は政治の代表者を選ぶ場。投票することは自分が社会に存在することを知るよい機会になる」と話した。

 「WONDER EDUCATION」は、20222年11月にあった愛媛県知事・松山市長同日選挙に向け、選挙啓発動画を監修するなどの活動に取り組んだ。
 

今後の活動について話し合う秋本大空代表(左)ら=松江市西川津町、島根大

 ポリレンジャーは若者の政治参加を促し、政治をよりよいものにすることを目的に2009年に結成した。2022年7月の参院選で入口調査や子どもを対象にした模擬投票などを行い、松江市内の高校に出前授業をして政治参加を呼びかけている。法文学部の1年生を中心に10人が所属する。

 秋本代表は「政治はとても難しいもの。だけど生活と密につながっていることをもっと知ってほしい」と、4月の統一地方選挙に向け、啓発活動を準備している。