1月下旬、大寒波が全国を襲い、山陰両県でも水道管の凍結や破裂が多数起こった。立春を過ぎたとは言え、まだまだ寒い日がありそう。この機会に、水道管の凍結を防ぐ有効な対策を松江市上下水道局に聞いた。(Sデジ編集部・吉野仁士)

 上下水道部・鍜冶紀夫次長によると、寒波が襲った1月25~30日の松江市内の最低温度は氷点下3・8度。水道管の凍結や破裂の被害は198件発生した。水道管が凍結する気温は「氷点下4度」が一つの目安で、気象庁から低温注意報が発表されるようになるという。ただ、水道管が日陰や風当たりが強い場所にある場合、氷点下1~2度でも凍結の恐れがある。「氷点下になる可能性があれば、早めに対策をしてほしい」と早期の対応を呼びかけた。

大雪に見舞われた1月24日の松江市内。本格的に雪が降る前に対策をしておきたい


▼対策は自宅にある物だけで可能

 

 具体的な対策について、維持管理課の主任技師、平岡晃如さんが実演してくれた。平岡さんは「水道管が冷たい外気に触れなければ凍結の可能性は減る。まずは水道管をむき出しにしないことを意識してほしい」と強調した。水道管にホームセンターで買える筒状の保温材を巻くことで、水道管が外気に触れなくなり、凍結を防げるという。今回の寒波で、凍結や破裂した水道管の多くは、屋外でむき出しの状態だったそうだ。

ホームセンターなどで買える保温材。水道管に適した長さに切って使用する

 保温材以外でも自宅にあるもので手軽に対策ができる。平岡さんがお薦めするのは厚手のタオルや「プチプチ」などと呼ばれる気泡緩衝材。これらを水道管や蛇口に巻き付け、ガムテープで固定する。ただ、タオルの場合は雪や雨でぬれると水道管を冷やしてしまう可能性がある。このため、上からビニール袋をかぶせて再び固定すれば、ぬれる心配はなくなり安心だ。

 実演してもらって特別な物や技術を必要としない、とても手軽な対策だと思った。局の蛇口を借りて、教えてもらった対策を試してみると、初めてにもかかわらず2分23秒で巻き付けることができた。これなら子どもやお年寄りでもすぐにできそう。

 
記者が凍結対策を施した蛇口。不格好だが、これだけで凍結や破裂の危険性をぐっと下げることができる

 凍結防止策としてよく聞くのが、水道の水を少量だけ流し続ける、という方法。平岡さんによると、凍結防止という観点ではこの方法...