中海周辺で冬を過ごしたコハクチョウの北帰行が3日朝、今シーズン初めて米子水鳥公園(米子市彦名新田)で確認された。春の訪れを感じさせる風物詩で、昨年より19日遅く、3月に入ってからの確認は1997年以来26年ぶり。休憩地となる北日本で積雪が多く、始まりが遅れた可能性があるという。
午前7時40分に公園の神谷要館長(51)が園内の池から26羽の群れが北東方向へ飛び去るのを確認した。神谷館長によると、来園者からの目撃情報は既に入っていたものの、富山、新潟両県の積雪は多く、餌がとりにくいため、公園に戻ったコハクチョウもいたとみている。休憩地の天候が安定し始め、今後は戻ってくる可能性は低いと判断し、発表した。
今季は2022年10月9日に7羽が初飛来し、中海周辺で確認された最大数は1月15日に昨季よりやや多い約2千羽だった。
コハクチョウはカモ目カモ科の渡り鳥で、北極海沿岸で繁殖し秋に越冬のため日本に飛来する。北帰行は今月上旬にピークを迎え、月末には全て飛び去る見込み。 (柴田広大)