短歌 安部 歌子選
雪道の遅れしバスを自販機の熱きコーヒー握りて待てり 雲 南 難波紀久子
【評】定刻に来ないバスを雪道に待ち続ける作者。無理のない素直な詠み方で調べも 良く一読作者の姿が見えてくる。「熱きコーヒー」が一首をあたたかく包む。
冬至まえ強き寒波に飲み込まれ列島一気に真冬モードに 隠岐の島 永海 千春
【評】日本列島も作者の住む隠岐の島も強い寒波に襲われた。寒波は時には島の暮ら しを一変させる。厳しい冬に立ち向かう作者の覚悟も伝わってくる勢いのある一首。
ひとり湯にポカポカ柚子...