別れと出会いの春。悲喜こもごもに新たな1年が始まる。そんな季節に似合うのがアコーディオン。哀愁を帯びつつも陽気な音色に心が弾む。アコーディオン奏者のシャロン・シャノンとフラコ・ヒメネスが、それぞれロック・ポップス系の歌手たちと作ったアルバムはとっても楽しい作品だ。
シャロン・シャノンはアイルランド出身で1991年にデビュー。トラッド音楽の枠を超えて活躍する。2003年発表の「リベルタンゴ」はタイトル曲をカースティ・マッコールが歌い、シニード・オコナーが2曲で歌声を披露。トラッドの魅力たっぷりのシャロンのソロ曲もある。最後を飾る曲のラップとアコーディオンの競演は今聴いても斬新で面白い。
フラコ・ヒメネスは米テキサス出身の84歳。テックスメックス音楽には欠かせない存在だ。1992年の「パートナーズ」はゲストが豪華。オープニング曲をCSN&Yのスティーブン・スティルスが歌い、その後もリンダ・ロンシュタット、ジョン・ハイアット、ライ・クーダー、ロス・ロボスなどが登場する。フラコ本人が歌う曲もあって、これがまた趣深い。
アイリッシュトラッドにテックスメックスとジャンルは違えど、巧みなテクニックに裏打ちされた表情豊かなアコーディオンの響きがどちらの作品でも存分に味わえる。 (洋)
【エフエム山陰】コラボしています
SUN-IN MORNING(朝7時半~9時)