鳥取県知事選には届け出順に、共産党新人で党県委員会常任委員の福住英行氏(47)と、自民、公明両党の地方組織と立憲民主党が推薦する無所属現職の平井伸治氏(61)=4期=が立候補した。両候補の事実上の一騎打ちだった2019年前回選と同じ構図となった。

 福住候補は、鳥取市東品治町のJR鳥取駅北口で第一声。党の県委員会幹部や所属県議が駆け付けて激励し、支持者ら約50人が耳を傾けた。

 「私たちの暮らし、鳥取県の平和を守る重大な選挙」として、医療や社会保障の充実、子育て支援、コロナ禍で疲弊した地域経済の支援を掲げた。島根原発の再稼働を阻止し、原発をゼロにすると強調。米子市淀江町の産業廃棄物最終処分場建設計画の白紙撤回なども主張し「県知事が代われば、県民の暮らしも変わる」と訴えた。

 平井候補は、鳥取市新町の選挙事務所前で、県選出国会議員や県東部の首長ら約240人を前に、第一声を上げた。

 コロナ禍と物価高騰で疲弊した地域の再興を目指し、事業者や畜産業者への対策を切れ目なく行うと主張。「皆さんの心が一つになれば、もう一度、元気な鳥取をつくることができる」と声を張り上げた。また、病床確保や検査体制を充実させコロナの感染者数が全国最少となった点や、近年は県内への移住者が毎年2千人超となるなど、4期16年の実績をアピールした。

 22日現在の選挙人名簿登録者数は45万9984人(男21万8191人、女24万1793人)。

 (岸本久瑠人、福間崇広)

 

■鳥取県知事選立候補者(敬称略、届け出順)

福住 英行(ふくずみひでゆき)(47歳、共産新)

 共産党鳥取県委員会常任委員。1994年に入党し、2017年から現職。党公認で衆院選鳥取2区と参院選鳥取・島根合区選挙区に計4回、党推薦で19年の鳥取県知事選に出馬した。千葉大工学部卒。鳥取県南部町出身。米子市車尾4丁目。

 

平井 伸治(ひらいしんじ)(61歳、無所属現=(推)自民、立民、公明)

 元総務官僚。1984年に自治省(現総務省)入り。2001年から05年まで鳥取県副知事。自治体国際化協会ニューヨーク事務所長を経て、07年知事選で初当選。全国知事会長。東京大法学部卒。東京都出身。鳥取市東町1丁目。当選4回。