冷戦後の情報革命が拡散した「一匹おおかみ」型のテロ。日本でも昨年、安倍元首相銃撃事件が起きた。体制に牙をむく凶行の広がりは何を意味するのか。前回に続き、過激思想を監視するユダヤ系人権組織「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の副所長で、米政府諮問機関幹部も務めるエーブラハム・クーパー師に聞く。 ―2001年の米中枢同時テロは「新たな脅威」の存在をまざまざと示した。

 「事件は一握りのイスラム過激派によって実行された。9・11がわれわれに教えたことは、歴史を変えるために多くの人間を動員し、革命や政変を起こす必要...