アイルランドの3人組ロックバンド、ザ・スクリプトのメンバー、マーク・シーハンが亡くなったとのニュースが伝えられた。享年46。短い闘病生活を経ての急逝だったという。全てのシングル、アルバムを聴いてきたわけではないけれど、彼らの音楽が好きだ。追悼したい。
ザ・スクリプトはダニエル・オドナヒュー(リードボーカル、キーボード)、マーク・シーハン(ギター、ボーカル)、グレン・パワー(ドラム、ボーカル)の3人組。2008年に英国でデビューし、今ではアイルランドの国民的バンドの一つに数えられている。
個人的なイメージは、ドラマチックな曲の展開と、ラップ(と言えるような言えないような)パートを織り交ぜるなどした歌詞の独特の響きに持ち味がある。初めてバンドを知ったのは10年リリースのシングル「フォー・ザ・ファースト・タイム」。美しい曲だと思った。ピアノの弾き語りに始まって、次第に盛り上がっていく展開に引きつけられた。この曲を収録するアルバム「サイエンス&フェイス」を聴き、さらにデビューアルバム「ザ・スクリプト」へとさかのぼり、音楽性の高さを感じた。

バンドは、もともとダニエルとマークがソングライティングチームとして活動を始めた後に、グレンが加わって結成したという経歴だから、亡くなったマークはこれらの曲作りに深く関わっているのだろう。アルバムを見ても、ほぼ全曲に2人のクレジットがある。ボーカルとしては、ラップ部分を主に担っているようだ。
グループはその後も、ラッパーのウィル・アイ・アムをフィーチャーした「ホール・オブ・フェイム」(12年)や「スーパーヒーローズ」(14年)などスケールの大きな楽曲でファンを魅了してきた。
近年では「ラン・スルー・ウォールズ」(19年)に心を動かされた。「僕には、大変なときに壁を通り抜けて駆け付けてくれる友がいる」と歌うバラードである。切々と語りかけるようなダニエルのボーカルに、マークのラップが絡むところがすごくいい。改めてミュージックビデオを見ながら、ソングライターとして、ギタリストとして、ボーカリストとして、バンドに欠かせない存在だった彼をしのんだ。(洋)
<投稿募集中!>
海外のロック、ポップスについて読者の投稿も歓迎します。オールディーズから最新ヒットまで、大好きな歌やアーティストのこと、思い出のエピソードなどを自由にどうぞ。
>> 投稿はこちらから