上定昭仁氏
上定昭仁氏
出川桃子氏
出川桃子氏
上定昭仁氏 出川桃子氏

 任期満了に伴う4月11日告示、18日投開票の松江市長選は、約20年ぶりに新人同士の戦いとなる。立候補を表明した上定昭仁氏と出川桃子氏はともに40代。組織力を背景に浸透を図る上定氏と、街頭演説や会員制交流サイト(SNS)などで支持拡大を目指す出川氏が、それぞれ対照的なスタイルで臨む。

 旧松江市時代を含めると在任期間が20年10カ月に及ぶ松浦正敬市長が今期限りでの退任を表明。2000年6月以来の現職不在の市長選となる。

 上定氏は、産官学連携の強化による経済の活性化などを主張する。地元経済界が中心となって支え、自民党島根県連、公明党本部、国民民主党県連、連合島根、市農政会議など50団体から推薦を得た。

 米国から2カ月半前に帰国したばかりで知名度の低さが課題。自民党地域支部の会合に駆け付け、市民サークルの活動や企業の朝礼に小まめに足を運ぶ。

 演説では「経済界がみこしを作り、それに乗らせてやるからと言われて島根に帰ってきたとのうわさを聞くが、そんなこと全くない」と自身の意思で出馬を決めた覚悟を強調。「しがらみのない新しい風を吹かせる」と訴える。

 出川氏は政党や特定の団体に頼らない活動を展開する。市役所本庁舎の建て替え事業の見直しを公約に掲げ、市の政策決定の手法に異を唱えた市議時代からの主張を貫く。「旧態依然とした古い政治から脱却し、市政の閉塞(へいそく)感を打ち破ろう」と呼び掛け、平日は毎朝、街頭に立つ。

 若者や無党派層にアプローチしようとSNSを積極的に活用するが、支援組織は子育て中に知り合った「ママ友」が中心メンバーで、戦略的な後援会活動や旧町村部へのアプローチは限定的。過去2度、市長選に出馬経験のある川上大県議(松江選挙区)の支援グループが加わり、態勢を整える。

 一方、2人の主張は、出川氏が庁舎問題を強調している点を除けば、市民との対話や市政運営の透明性の確保、産業振興、子育て支援など似通う部分が多い。中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働の是非についての言及もほとんどなく、対決軸が明確にならない前哨戦が続いている。

 こうした状況を受け、原発再稼働の争点化を狙う共産党県委員会が候補擁立を模索。反原発を掲げる市民団体と連携し、人選を進める。 (佐々木一全、久保田康之)

 

立候補予定者(表明順、敬称略)

上定 昭仁 48 元日本政策投資銀行松江事務所長

出川 桃子 43 元松江市議