浜田市弥栄町の交通死亡事故ゼロ1万日達成をひときわ喜ぶのが、市交通安全協会弥栄支部の栗栖一雄副支部長(78)だ。目前で記録が途絶えた30年前も交通安全ボランティアを務めており、支部の中では当時の悔しさを知る数少ない1人だ。今日まで街頭に立ち続けており、悲劇から30年ごしに1万日を達成した思いを聞いた。
(聞き手は西部本社報道部、中村成美)
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ー1993年11月8日、旧弥栄村内で交通死亡事故が起き、あと14日を残し1万日の記録が途絶えた。当時の状況は。
当時は村議会議員を務めていて、1万日を達成した自治体が他にあると聞き、弥栄村もやってみようという話になった。当時の役場が調べて達成まであと半年ぐらいだと分かり、村全体で機運が高まった。事故があったのは、達成まで1カ月を切り記念式典をやろうとの下話が出ていた時で、何か式の中で役をやってくれと言われて楽しみにしていた。事故の一報を知ったのは午後3時ぐらい。式典ができなかったことよりも村で死者が出たことが残念でならなかった。


ー当時から交通安全ボランティアを続けている。始めたきっかけは。
知り合いに声をかけられたのがきっかけ。個人で30年以上前から町の子どもに神楽を教えており、今の小中学生のお父さん、お母さんも指導した。町の子どもは...