【浜田】国内で浜田市にしか存在しないとされる溶岩「黄長石霞石玄武岩(おうちょうせきかすみいしげんぶがん)」が浜田市下府町、いわみ文化振興センター内の石見畳ケ浦資料館で展示されている。ざらざらとした黒色の岩で磁石にくっつくのが特徴。桑田龍三館長(85)は貴重な宝だと、来場を呼びかけた。
黄長石霞石玄武岩は600万年前の海底火山の噴火で形成され、日本海沿いの長浜台地一帯のみに分布する。1966年には3カ所で露出する岩が島根県天然記念物に指定された。
展示するのは県地学会顧問の桑田館長が2015年、JR西浜田駅の裏山で研究目的に採集した幅30センチ、奥行き28センチ、高さ8センチの岩1点と小型の岩3点。
桑田館長によると、磁石に反応する磁鉄鉱を含む6種類の鉱物で構成するが、黄長石と霞石の組み合わせは世界的に例が少ない上、国内で霞石の六角柱状の結晶が確認できるのは長浜台地のみという。
18年には、同じ岩でも「節理」と呼ばれる希少な放射状の割れ目が入ったものを熱田町内で発見。桑田館長は岩が浜田にしか存在しない理由は不明だとして「とても不思議で早く解明したい」と話した。
午前9時~午後5時。入場無料。問い合わせは桑田館長、電話0855(22)7776。 (宮廻裕樹)