中国地方最高峰の国立公園・大山(1729メートル)で3日夜、夏山開きの前夜祭「たいまつ行列」が4年ぶりに開かれた。中腹にある大神山神社奥宮(鳥取県大山町大山)の近くから、約900人がたいまつを手に約1・5キロの参道を練り歩き、暗闇の中に炎の川が浮かび上がった。
燃え盛るかがり火から採火したたいまつ行列の一団は、午後7時半に出発。神職や僧兵役に率いられ、ほら貝の音が響く石畳の参道を炎で照らしながらゆっくりと進んだ。
終着点の博労座では地元に伝わる「僧兵太鼓」が披露され、特産品の販売ブースなども設けられた。
たいまつ行列は例年6月に開かれるが、新型コロナウイルスの感染拡大で取りやめになっていた。行列に先立つ登山の安全を祈願する神事は、大神山神社奥宮が大規模修繕中のため、ご神体が移された隣の下山神社で行われた。
(井上誉文)