SNSで拡散された、男性が乳牛を蹴る様子が映された動画の一場面(画像の一部を加工しています)
SNSで拡散された、男性が乳牛を蹴る様子が映された動画の一場面(画像の一部を加工しています)

 乳牛を蹴るなど男性社員が暴行を加える動画が交流サイト(SNS)上で拡散し、批判が相次いでいる大田市内の農場の経営者が14日、取材に応じ、「あってはいけない虐待行為で言語道断。同業者、関係者に申し訳ない」と陳謝した。男性社員は「ごめんなさい」と繰り返し、投稿した理由については分からないという。会社側は懲戒解雇を前提に自宅謹慎にし、法的措置も検討している。

大田の農場で牛虐待か 愛護法違反疑い 県警捜査 SNSに動画

 牛に巻いたロープを引っ張りながら、顔や首を蹴る様子が記録された動画を撮影、投稿した現場は、大田市の農場。関係者によると、外国籍の男性社員(26)が一人で行ったという。

 撮影時の牛は、初めての出産直後のデリケートな時期で、病気予防のため搾乳する必要があり、一定の経験がある4年目の男性社員が担当していた。男性社員はSNS好きで、以前に仕事の様子をライブ配信し、先輩から注意を受けたことがあったという。

 動画上での行為について、取材に応じた社長は「あまりにもひどく言葉がない」と陳謝。「生活を支えてくれる牛に感謝し向き合っているつもりだが、監督が行き届いていなかった。牛乳の消費を拡大しようと業界全体で頑張っているときに申し訳ない」と話した。

 農場の事務所には14日、批判の電話が相次ぎ、島根県畜産課にも事実関係などを訪ねる問い合わせが寄せられた。

 役員を含め32人が勤務する農場は乳牛を中心に約1300頭を飼育し、全国的にも大規模な農場。

 問題を巡っては島根県警が動物愛護法違反の疑いで捜査中。島根県畜産課は14日、県内で家畜を飼育する全800カ所の農場に動物愛護について管理徹底するよう通知した。