玉造温泉街の一角が5月、ざわついた。アニメで活躍する田澤茉純(ますみ)さんが前触れもなくプライベートで訪れた。田澤さんは、都内の企業による各地の温泉でキャラクターをつくるプロジェクト「温泉むすめ」で、玉造温泉をイメージした「玉造彗(けい)」の声優を演じている。温泉の協同組合の公式ツイッターは「突然ますみん(田澤さん)が登場し、スタッフ一同、舞い上がってしまいました」と興奮気味に投稿。700件以上の「いいね」が付き、人気ぶりを示した。田澤さんにキャラクターや島根への思いを聞いた。(Sデジ編集部・鹿島波子)
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田澤さんは神奈川県出身。中学時代に演劇部で演じる楽しさを知った一方、見た目によって「役が限られる」と感じ、声だけで様々な役を演じられる「声優」を目指すことを決意。養成所を卒業後、大人っぽくクールで落ち着いた女性の声を演じることは多いが、今ではアニメやゲームなどで、赤ちゃんからおばあちゃんまで幅広い役をこなしている。
玉造彗は2017年、キャラクター企画制作を行っているエンバウンド(東京都)が始めた温泉地の地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」のキャラクターとして誕生。温泉地ごとに、6月現在で127のキャラクター(架空の神様)がおり、山陰両県の温泉地では、島根は玉造のほか温泉津、松江しんじ湖温泉で、鳥取は皆生、三朝、はわいの計6カ所でキャラクターが設けられている。

全体でも14番目と早々に登場した玉造彗は、山陰では「最古参」。流鏑馬と日舞の達人で、文武両道がモットー。礼節や規律を特に重んじ、透き通るような美白・美肌の持ち主だ。趣味は天然石の採集で好きなものは出雲そばと、地域色を出している。
田澤さんは当初、他地域のキャラクターと共に結成された3人組ユニット「AKATSUKI(アカツキ)」で音楽ライブを中心に都内で活動しており、実際に島根には出向いていなかった。そのため...