先日、隠岐郡海士町に3泊4日滞在した。「生環境構築史」という研究プロジェクトの一環である。

 海士町で久しぶりに生牡蠣(がき)を食べた。全国で初めて開発された養殖の岩牡蠣。あまりのうまさに目を閉じた。潮風に当たった草で育った隠岐牛もその肉質の良さに悶(もだ)えた。それだけではない。美味と評判のナマコを育てる宮﨑雅也さんの作業場で食べた、ナマコの卵巣を干した干口子は芳醇(ほうじゅん)な味わいで酒と合う。

 ちなみに私は20年前、広島の居酒屋で生牡蠣にあたり苦しんだ経験があるが、今回は大丈夫だった。ここの岩牡蠣はあえて栄養の多い場所で育てない。無理に太らせないので、余計なものまでも吸収しない。だからあたりにくく味も引き締まって濃厚なのだ、と教えられた。人の育て方を教わったような気もした。

 大江和彦町長や吉元操副町長をはじめ、...