横になりながら生まれた赤ちゃんに授乳するニーナ(左)=浜田市・江津市、しまね海洋館アクアス
横になりながら生まれた赤ちゃんに授乳するニーナ(左)=浜田市・江津市、しまね海洋館アクアス

 浜田市・江津市のしまね海洋館アクアスで25日夜、カリフォルニアアシカの赤ちゃんが生まれた。パフォーマンスで人気のニーナ(13歳)が出産。早くも母子でいる姿を楽しめる。アクアスでは8日にシロイルカのケーリャが死に、暗いムードが漂ったが、新たな生命誕生に喜びの声が上がる。

 アクアスが26日に発表した。赤ちゃんは体長70~80センチで体重が推定5~7キロ。性別はメスとみられる。2017年から飼育するレオ(9歳)との子で、ニーナは22年8月にレオとの交尾が確認された後、今年1月のエコー検査で妊娠が分かり、5月中旬からパフォーマンスを中止していた。今月22日以降は食欲が低下するなど行動に変化が表れ、25日午後7時35分に出産した。

 赤ちゃんはまだ泳げないが、26日はアシカ・アザラシ用のプールサイドで母子が互いに体を寄せ合いニーナが赤ちゃんに授乳した。浜田市原井町の大学生、佐々木夢来さん(23)は「ケーリャと同じくらい地元に愛される存在になってほしい」と期待した。

 ニーナは18年~20年の間で3回妊娠し1、2回目は流産と死産。20年7月に生まれ、現在は広島県廿日市市の宮島水族館にいる個体に続く出産成功で、飼育する海獣展示課の藤島伊吹さん(26)は「出産がうまくいかない時もあったけど、無事に生まれて本当に良かった」と喜んだ。 (宮廻裕樹)