【出雲】出雲市上塩冶町、斐伊川放水路事業記念館の来館者が1万人を超え29日、記念式典があった。関係者は放水路事業への理解が深まることを願った。
斐伊川放水路は斐伊川・神戸川治水計画3点セットの一つ。大雨時に川の水を斐伊川から神戸川に分流し、宍道湖や松江市を流れる大橋川の水位を下げる。
市が整備し、2016年10月に開館した記念館はパネル約70点や模型を展示し、治水計画のきっかけとなった1972年の豪雨被害▽放水路の役割▽事業の歴史▽工事で発見された埋蔵文化財-を紹介する。防災学習で訪れる住民や小学生、県外者ら年間1500人が訪れ、5月28日に来場者が1万人に達した。
式典では関係者がくす玉を割り、一の谷保育園(大津町)の年長児24人が歌とダンスで祝った。
市は幼児や小学生用の解説DVDを作製し、下流にある松江市内の全小学校に来場を案内している。出雲市建設企画課の三代正幸課長は「あらゆる世代に治水や放水路事業についての知識を深めてもらいたい」と話した。
記念館は入場無料で午前10時~午後4時。火、水曜日と年末年始が休館。(松本直也)