【南部】NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルで「日本の植物分類学の父」とされる牧野富太郎(1862~1957年)の業績にスポットを当てた展示が、鳥取県南部町鶴田のとっとり花回廊で開かれている。生涯を紹介するパネルや草花を描いた植物図の複製など約60点を飾り、自然へのひたむきな情熱が来場者の心を打っている。10月1日まで。
ドラマの放送を機に、牧野の仕事と生涯を知ってもらおうと企画。パネルと植物図の複製は高知県立牧野植物園から借り受けた。
パネルでは牧野が研究の際、実物を見ることを重視したと紹介。山野の草花をいつでも観察できるよう押し葉標本をつくり、採集した標本の数は約40万枚に上ったという。ヒガンバナやホテイランといった草花の植物図では全体像を描くことに加え、葉やおしべ、めしべなどの部分を拡大して細やかに表し、観察眼の鋭さを知ることができる。
ほかに花回廊内で育てる牧野ゆかりの植物も展示。鳥取で見つけ命名したダイセンクワガタも見られる。
兵庫県神河町から訪れた友政弘康さん(72)は「植物の絵の描写がすごい。どうやったらここまで繊細に描けるのだろう」と驚いていた。
午前9時~午後5時。入園料は大人800円、小・中学生400円。(佐貫公哉)