ウクライナ侵略戦争が始まった直後、国策の大転換に乗り出したドイツ。日本と同じく国家安全保障戦略を策定し「ロシアは最大の脅威」と明記した。前回に続き、メルケル前首相の外交・安保政策首席補佐官を長く務め、現在はミュンヘン安保会議議長のクリストフ・ホイスゲン氏に「覚醒」の背景を聞く。
―「ツァイテンウェンデ」とは何か。
「ロシアは2022年2月24日、ウクライナへ侵攻した。ドイツのショルツ首相は3日後、連邦議会で演説し『われわれはツァイテンウェンデの真っただ中にある』と宣言した」
「ドイツ語で『時代の転換点』を意味する。それま...