1994年1月14日、米国のクリントン、ロシアのエリツィン、ウクライナのクラフチュクの3大統領はモスクワで首脳会談を行い、3カ国声明に署名した。これを受けウクライナは領内に残る約1900発の核弾頭を96年6月1日までにロシアへ完全移送し、非核保有国として核拡散防止条約(NPT)に加盟する方針が確定した。

 95年春には国際核秩序の「礎石」であるNPTが発効25年を迎え、加盟国の集まる会議で条約を無期限延長するか否かを決めることになっていた。そのため94~95年は、広島と長崎への原爆投下...