鳥取県特産の天然イワガキ「夏輝(なつき)」の初競りが1日、県内4市場であった。海水温が高めだったため、しっかりした実入りとなり、関係者はコロナ禍の需要動向をにらみながら高値販売に期待した。前年実績を上回る漁獲量150トン、販売額1億円を目指す。
13センチ以上をブランド認定し、「夏輝」のラベルを貼って販売している。濃厚な味わいが特徴で、関西圏を中心に出荷。鳥取市内のスーパーや直売所でも購入できる。
初日は鳥取市賀露町西4丁目の賀露市場に前年比385キロ減の1040キロが持ち込まれた。1キロ当たり平均単価は前年を227円上回る924円だった。
2020年は新型コロナの感染拡大に伴う需要減が影響し、漁獲量は19年比56トン減の79トン、販売額は同2700万円減の7200万円に落ち込んだ。単価下落など販売環境の悪化から漁獲を控える動きもあった。
県漁協は今年、通信販売にも力を入れる方針。漁政指導課の山本正志さん(34)は「生で食べるには一番良い時季」とアピールした。(岸本久瑠人)