第二章 道を行け(三十九)

 なるほど、これが江戸の若旦那か。

 着物は深い青地に黒の細縞を織り出した紬(つむぎ)に揃いの長羽織をしゃらと着込み、半襟と帯は黒く染めた絽(ろ)塩...