新型コロナウイルスワクチンの一般接種開始に備え、山陰両県企業で「ワクチン休暇」を導入する動きが広がっている。既存の有給休暇とは別枠で特別休暇を付与するなどし、接種しやすい環境を整える。政府が求める職場での集団接種の検討も始まっている。(取材班)

 警備業などのセコム山陰(松江市北陵町)は、従業員が接種する際、その日を特別有給休暇扱いとする。年次有給休暇を消化せずに休むことができ、来年2月末まで運用する。エブリプラン(同)もワクチン接種に伴う特別有給休暇の導入を決め、1日に社内告知した。河原八郎社長は「仮に社員が感染すれば社業への影響が大きい」とリスク管理の必要性を指摘する。

 山陰信販(米子市東福原2丁目)は、接種当日と、翌日以降に副反応の体調不良が出た場合、有給扱いの特別休暇を取得できるようにした。野沢敏昭取締役は「副反応が出て欠勤扱いとなれば、従業員が接種に後ろ向きになるかもしれない」と説明する。

 山陰合同銀行(松江市魚町)は職員本人の接種に加え、同居家族の接種の付き添いや、副反応で家族の看病が必要となった場合も特別休暇を適用する。

 一方、政府は職場などでワクチンを接種する「職域接種」を21日に始めると発表し、企業に協力を求めている。

 路線バスを運行する石見交通(益田市幸町)は従業員の接種を迅速かつ効率良くできる方法として前向きに検討しており、小川賢二常務は「公共交通を担う会社として、全従業員のワクチン接種は不可欠」と強調した。

 山陰合同銀行は産業医と相談して実施を検討する考え。職員は約3千人に上り、同行担当者は「ワクチンの保管や打ち手、会場の確保をどうするかを考える必要がある」と課題を挙げた。