本番に向け、練習を重ねる管弦、邦楽、合唱の3団体のメンバー=益田市遠田町、ジャストホール
本番に向け、練習を重ねる管弦、邦楽、合唱の3団体のメンバー=益田市遠田町、ジャストホール

 益田市ゆかりの万葉歌人・柿本人麻呂(人麿)が今年、没後1300年とされるのを機に26、27の両日、益田市有明町の島根県芸術文化センター・グラントワで、記念イベントがある。朗読劇や音楽ステージを通じ「歌聖」とうたわれた人麻呂の功績をたたえる。

 人麻呂を顕彰するイベントの関連事業で、人麻呂が妻との別れを惜しんで詠んだ「石見相聞歌」に楽曲をつけ披露される。演奏・合唱をする3団体が本番を前に合同練習に励む。

 楽曲は「石見相聞歌」の長歌1首、短歌2首に、作曲家の高橋久美子さん(東京都在住)が曲を付けた。歌を軸に男女の情愛を表現する。4部構成で、1部は弦楽、2部は邦楽、3部は合唱、4部に3団体による合奏・合唱の流れで、全体で約20分間のステージ。

 演奏・合唱を担うのは、いずれもグラントワを拠点に活動する、グラントワ弦楽合奏団、島根邦楽集団、グラントワ合唱団の3団体。20~35人ずつ参加し、総勢約90人でステージに立つ。今年4月から合同練習を始め8月上旬は、益田市遠田町のジャストホールに約70人が集まり音の強弱や入り方などを確認した。三位一体で相聞歌の持つ壮大なストーリーを表現する。

 尾庭昌喜委員長(80)は「曲を通じ、市民が人麿という益田の宝に愛着を持つようになってくれればうれしい」と話した。

 26日午前10時半からグラントワ大ホールで。入場無料。
  (藤本ちあき)