李知姫
李知姫

 レギュラーツアー通算23勝を誇る44歳のベテランの完全復活を予感させる優勝劇となった。20年連続で保持したシード権を失うなどの苦難を味わい、再起を目指して出場したステップアップツアーで勝利した李知姫は「自分にとって大きなポイントになった。まだ、上でやれるという自信になった」と4年ぶりの勝利の味をかみしめた。

 不調から2019年以来、優勝から遠ざかり、レギュラーツアーの出場権を得るためにクオリファイングトーナメントに出るなど試行錯誤した。それでも思うような結果を残せず、「駄目なのか」と思い悩んでいた時期に所属先の社長から「少しでも試合に出たい気持ちがあれば出た方がいい。全力でサポートするよ」と声をかけられ、23年ぶりとなるステップアップツアー出場を決めた。

 今大会では、初日からショットに安定感があり、2日目で他の2選手と並んでトップに立った。

 同スコアの選手と同組になった決勝ラウンドでは、出だしの1番(パー5)でバーディーチャンスをものにできず、その後はパーでしのいだが、4番(パー4)で転機が訪れた。

 セカンドショットは右奥のピンから離れたグリーン左側に。残り17メートルで強いスライスという難しいバーディーパットになったが、見事にラインを読み切り、カップイン。このバーディーで「流れが大きく変わった」ことで、続く5番(パー4)、6番(パー5)、7番(パー3)を含めた4連続バーディーを達成。後半にも1バーディーを奪い危なげなく逃げ切った。

 次戦は7日に開幕する日本女子プロゴルフ選手権。「今回の優勝を無駄にせず良い成績を出したい」と国内四大大会に照準を合わせた。 (景山達登)