企画展の古文書を紹介する職員の嶋田枝里子さん=浜田市殿町、浜田城資料館
企画展の古文書を紹介する職員の嶋田枝里子さん=浜田市殿町、浜田城資料館

 【浜田】窮乏していた浜田藩を救うため、海外との密貿易を行った今津屋(会津屋)八右衛門の企画展が浜田市殿町の浜田城資料館で開かれている。韓国・鬱陵島の渡航での処罰がつづられた初展示の古文書など人生をたどる30点が並ぶ。24日まで。

 廻船業を営んだ八右衛門は、1833(天保4)年から数回、財政難だった浜田藩の利益になると、鬱陵島で海産物や朝鮮ニンジンとされる草などを手に入れ、島の絵図を作製した。

 八右衛門らは36年に捕まり「朝鮮竹嶋渡航始末記」では、渡航に協力した橋本三兵衛とともに2人が「死罪」だと記された。同じく事件を記した「松井家譜」には、竹島に行く名目で鬱陵島への渡航を内密に指示した浜田藩の家老・岡田頼母(たのも)と年寄役・松井図書(ずしょ)が自害したとある。鎖国の禁を犯し藩も加担した一大事件の重みが伝わる。

 八右衛門は藩救済のため立ち上がった偉人として市民の間では人気者で、同館職員の嶋田枝里子さん(33)は「世界に目を向けた八右衛門の足跡を多くの人に知ってほしい」と話した。

 開館は午前9時~午後5時。入館無料で月曜、祝日翌日は休館。(宮廻裕樹)