林古墳群の前方後円墳内部の石室を観察し、外に出た参加者=松江市玉湯町
林古墳群の前方後円墳内部の石室を観察し、外に出た参加者=松江市玉湯町

 地元の歴史ある建物や古墳を訪れるツアーが13日、松江市玉湯町であり、町民ら43人が地域の歴史に理解を深めた。

 公民館が毎月開く生涯学習講座の一環で、屋外での講座は初めて。

 参加者は報恩寺で島根県指定文化財の十一面観音立像(高さ約4・2メートル)を前に、角光治(こうじ)住職から約1300年前から続く寺の変遷について説明を受けた。

 境内にある堀尾忠氏の墓とされる来待石製の宝篋(ほうきょう)印塔や、裏山にある全長約50メートルの前方後円墳について、出雲玉作資料館の片岡詩子(うたこ)館長が解説。参加者は土が盛られた高さ約4・5メートルの後円部に登り、埋葬された古墳時代中期の豪族を思い浮かべた。

 バスで林古墳群に移動し、出雲最古の横穴式石室を持つ前方後円墳に入り、石が丁寧に積み上げられた内壁を観察した。

 玉湯町玉造の来海(きまち)貞子さん(84)は「石室は思ったより広かった。地元のことを知っていそうで知らないことも多いので参加して良かった」と話した。(小引久実)