これまでに発行された「島根県民手帳」。左下が2024年版
これまでに発行された「島根県民手帳」。左下が2024年版
人気キャラクター・吉田くんが島根県の特徴を紹介
人気キャラクター・吉田くんが島根県の特徴を紹介
1978年発行の島根県の県民手帳の中身
1978年発行の島根県の県民手帳の中身
これまでに発行された「島根県民手帳」。左下が2024年版
人気キャラクター・吉田くんが島根県の特徴を紹介
1978年発行の島根県の県民手帳の中身

 スマホの普及に伴い、手帳でスケジュールを管理する人が減る中、島根県の「県民手帳」が根強い人気を誇る。県内の主要行事や統計データを網羅し、少なくとも45年以上にわたり親しまれてきた。全国で廃刊の動きがあり現在発刊しているのは39県。島根は24年版の販売開始を例年の11月から2カ月前倒しして、認知度アップを図っている。

 手帳は統計情報普及を目的に県統計協会が発行。県統計調査課によると、正確な発行開始年は不明だが、同課に1978年発行の手帳が残っている。

 スケジュール記入欄に加え、県内各地の催事やイベント情報を記載。統計データは約50ページにわたり、県内29カ所の道の駅や公共温泉施設の情報を盛り込む。人気キャラクター・吉田くんを使い、1人当たりの「サバ購入量全国1位」「図書館数全国2位」といった豆知識も入れた。

 2019年から県観光キャラクター・しまねっこを使った表紙も用意し、24年版は5500部を発行した。14年版が6110部で、以降は4千部台後半~6千部台前半で推移。22年版は4632部だった。

 他県の県民手帳をみると、愛媛県は特産品のかんきつ類の種類や食べごろの一覧を載せたり、「うどん県」を掲げる香川県がうどん、そば店の件数を載せたりと、工夫を凝らす。一方で廃刊も進み、滋賀、大分両県は24年版からなくした。北海道、東京、京都、広島、長崎など8都道府県は発刊していない。

 島根は部数維持に向け、24年版は販売開始を早め、1日には県庁ロビーにブースを設けて、初めて対面販売した。購入者へのアンケートも実施し、来年度以降の魅力アップに備える。統計調査課の森永壽課長補佐は「地元の細かな統計情報も載っている。ぜひ手に取ってほしい」と話した。

 県民手帳は今井書店やコンビニエンスストア、県庁売店などで販売している。
  (白築昂)