中国電力は9日、島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の原子炉建物内で5月に起きた作業員の落下事故について、現場で作業手順を変更した際の不十分な安全対策や周知不足が原因だったと発表した。

 事故は5月17日夕に発生。機材の片付けをしていた協力会社の男性作業員が地下1階の床面開口部から約6メートル下の地下2階に落下し、大けがを負った。

 中電によると、当初は開口部を手すりで完全に囲む計画だったが、作業手順の変更に伴って事故時は一部が囲われていなかった。周囲の作業員には伝えておらず、安全ネットの設置といった代替策もなかった。松江労働基準監督署は19日付で労災事故に認定した。

 落下事故の翌日の18日に原発構内の管理事務所で起きた投光器用バッテリーの出火原因は市北消防署と製造メーカーが調査中だと説明。構内にある同型のバッテリー55台を1カ所で保管し、異常を早期発見できるよう変更したという。(高見維吹)