農林中央金庫や住友林業が実用化を目指す草刈りロボットの試験機
農林中央金庫や住友林業が実用化を目指す草刈りロボットの試験機

 農林中央金庫(農林中金)と住友林業、全国森林組合連合会は10日、林業経営の中でも過酷とされる造林後の草刈り作業を遠隔操作で行えるロボットの実用化を目指すと発表した。作業の安全性や効率を高めて若者や女性の参入を促す狙いがある。2022年3月までに販売やリースを始める計画だ。

 農林中金によると、林業に特化した草刈りロボを実用化すれば国内で初めて。作業は造林後の数年間、夏場を中心に行われる。足場が悪い急斜面などはけがの危険もあり、林業継続の意欲が低下する要因とされてきた。

 欧米で普及している草刈り機を、山がちな日本向けに改良する。無線で操縦し、リモコンで5メートル離れた場所から雑草や雑木を刈り取れる。北海道、福島、愛媛の3道県で実証実験を進めた結果、1ヘクタール当たり9時間かかる作業を3時間程度に短縮できる見込みだという。

 農林中金の担当者は「安心して働ける環境整備を支援し、森林資源や林業の持続性向上に貢献したい」と話している。