肺がんの治療をテーマにした市民公開講座「みんなで学ぼう!肺がんとの向き合い方・新しい治療」がこのほど、出雲市内であった。がんの闘病経験があるフリーアナウンサー・笠井信輔さん(60)が定期的な検診を受ける大切さを呼びかけた。
島根大医学部付属病院呼吸器・化学療法内科の礒部威教授(62)が、初期の肺がんは無症状が多く、せきやたん、胸の痛みなどの症状がある時には進行していると説明。他の臓器に転移した後、肺がんと診断される人が3割程度いると紹介した。2021年度の島根県内の40~69歳の肺がん検診受診率は3・6%(全国平均6・0%)で「全国平均を大きく下回っている」と指摘した。
笠井さんは悪性リンパ腫で約4カ月半入院したことを振り返り「1日や2日の検診で短期の入院や手術で済むことがある。ぜひ検診に行ってほしい」と呼びかけた。2年間肺がんの治療を受けた松江市東津田町、杉原真司さん(58)が診断までの経緯や治療経験を話した。
参加した出雲市塩冶町の珍部芳夫さん(79)は「一日でも長生きするために、検診を毎年受けていきたい」と話した。
公開講座は日本肺癌学会などが主催し各地で開催。会場とオンラインの計約110人が受講した。
(黒沢悠太)