日本語の話し言葉である「べた」とは「ありふれた」「分かりやすい」を意味する。「そんなべたなことはないだろうな」と思っていたら、本当に起こったので驚いた。
今月3日に中国・北京であった、習近平国家主席とロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の「絶対権力者」3人によるそろい踏み。中国国営テレビの映像を利用した外国通信社の報道によると、雑談の中で「不老不死」談議が出たという。
どんな経緯でその話題になったのかは不明だが、「長生きすればするほど若くなり不老不死さえも達成できる」とのプーチン氏の言葉が中国語で翻訳されると、習氏が「今世紀中に150歳まで生きられるようになる可能性があると予測されている」と述べたという。
政敵を追い落としたか、あるいは生まれた時からその類いの敵がいない「皇帝」が恐れるのは、自らの老いと死のみだ。いにしえの秦の始皇帝も、共産党支配下の中国建国の祖・毛沢東もしかり。その場での発言はなかったものの、傍らにいた金氏も思うところはあっただろう。
3人の横に米国のトランプ大統領がいてもさほど違和感がない。それほどに「自分ファースト」のリーダーが国際情勢を動かしていることに恐れを抱いてしまう。わが国の首相も夏の参院選後に「地位にすがりついている」と随分たたかれたが、4人の所作を思うと、大変常識的だった。(万)













