西周の顕微鏡など企画展の展示を紹介する小杉紗友美文化財係長=島根県津和野町森村、町郷土館
西周の顕微鏡など企画展の展示を紹介する小杉紗友美文化財係長=島根県津和野町森村、町郷土館

 【津和野】島根県津和野町と岡山県津山市、大分県中津市が結ぶ「蘭学・洋学三津同盟」の一環で、日本初の学術団体「明六社」の結成150周年に合わせた企画展が町郷土館(津和野町森村)で開かれている。津和野出身の啓蒙(けいもう)思想家・西周や、福沢諭吉ら日本を代表する学者が集結した明六社の機関誌や西洋の思想を取り入れ執筆・翻訳された書籍などが並び、郷土の偉人たちの業績を紹介している。11月5日まで。

 3市町を巡る巡回展で、同館や津山洋学資料館、中津市歴史博物館などが所蔵する関連資料計32点を展示する。

 明六社は1873(明治6)年に結成され、中心メンバー10人のうち5人が「三津」の出身。津和野の西周や中津の福沢諭吉、津山の津田真道ら洋学者が集い、西洋文明を広めた。

 展示では西周がオランダ留学の際に購入した顕微鏡や知識人が論争を繰り広げた学術雑誌「明六雑誌」、福沢諭吉著「学問のすすめ」初版本も展示されている。町教育委員会の小杉紗友美文化財係長(45)は「普段、津和野では見られないものもたくさんある。この機会にぜひ見てほしい」と呼びかけた。

 午前8時半~午後5時。火曜日休館。入館料は一般400円、中高生300円、小学生150円。町民は無料。(藤本ちあき)