風呂上がりの牛乳タイム(画像の一部を加工しています)
風呂上がりの牛乳タイム(画像の一部を加工しています)

 「のど渇いたな」と思って、コップにお茶を注いで口に入れる。たったこれだけの目的が、いつまでたっても達成されないときがある。

 世話に追われる夕食時、飲み物を飲めていないのだろう。いや、コップにお茶を注ぐまではできても、飲むまでの間に何かしらハプニングが発生し、手が止まる。食後の入浴中にのどの渇きに気付き、「出たら絶対すぐお茶を飲む」と強い意志を固める。

 嫌がる子らをなだめつつ洗髪を終えてタオルで拭き、さあ出るぞ、というときに娘が鼻血を出して「わー」とか言いながらティッシュペーパーで押さえる。不快で泣く娘に「大丈夫、もう止まるよ」などと落ち着かせていたら、脱衣所から逃げた息子(おむつ未着用)が居間でおしっこをして水たまりができていた。

 「ぎゃー」と騒いで雑巾で拭き、息子におむつをはかせていたら、鼻血の止まった娘が「のど渇いたー、牛乳温めて」と要望。はいはい。コップに牛乳を注いでレンジへ。すると息子も「にゅーにゅ(牛乳)!」。はいはい、あなたもね。またコップを出して牛乳を注いでレンジへ。温めボタンをピッと押したところで、おしっこを拭いた雑巾を放置していたことに気付き、脱衣所へ戻る。

 ついでに洗濯機を回してしまおうと作業に移ると、レンジが「ピー」と終了の合図。2人にコップを渡し、そういえば自分がまだ服を着てなかった、と寝間着を取りに行く途中、「おかあちゃーん、こぼれたー」と呼ばれる。居間に戻ると床が牛乳びたし。「はあ…」。拭いていると「まだ飲みたい」との要望。ちょっと待って。この雑巾も水洗いしておかねば。あ、息子にパジャマを着せていなかったと気付き、保湿剤を塗って着せる。

 2人を順に歯磨き。なかなか完了できない。そのうちに洗濯機が「ピーピー」と終了。「絵本読んでー」とせがむ娘の髪を乾かしながら読む。終わると寝室に行き、寝るモードに。疲れた私も寝落ちする…。

 深夜、息子が泣いて目が覚める。授乳しながら「のど渇いた」。あれ、私、お茶飲んだっけ。息子が寝たら今度こそ。と思いつつなかなか寝てくれず、結局また寝落ち。私のコップは、飲まれずじまいのお茶が入ったまま朝を迎える。

 (文化生活部・増田枝里子)

  =毎週土曜掲載=

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