おしゃべりとともに絵も上達してきた。最近は、顔に手足が生えた「頭足人」がお得意のようだ
おしゃべりとともに絵も上達してきた。最近は、顔に手足が生えた「頭足人」がお得意のようだ

 おしゃべりが上達したとはいえ、3歳の娘はまだまだ未完成の言葉が多い。

 定番は「テベリ」(テレビ)、「エベレーター」(エレベーター)、「やらわかい」(柔らかい)など。文字が入れ替わる系でいえば、スーパーのみしまやは「みしやま」に、子ども服の西松屋は「にしやつま」になる。

 「汚れている」ことは「よぼれちょー」。「ご」を「ぼ」と誤っている。立派に出雲弁を使いこなしているのもほほ笑ましい。それから「はんたいワガ」「こっちワガ」の「ワガ」は「側」のこと。

 「どーしまして」は、どういたしまして。お片付けは「おたたづけ」。「か」が発音できないためかと思っていたが「か」を習得してからもそのまま。ごちそうさまは「どちそーさま」だ。

 勘違い系もある。「しゃがむ」ことは「沈む」という。なんとなく雰囲気は伝わるが、絶妙に違うのが面白い。アジサイのことは「あじさん」。呼称のようだ。

 小麦粉は「こぐみこ」で、麦茶は「ぐみちゃ」。「mugi(麦)」の子音が前後で入れ替わってしまうのは「テベリ」と同類といえる。あとは「もぐら」(マグロ)、「いるか」(イクラ)というのもあり、一瞬分からないときもある。

 「パプリカ」という歌があるが「パクリーカ♪」と歌っていた。「こころ遊ばせあなたに届け♪」のところは「トトロ遊ばせ…」。かわいいから直せない。

 造語もある。「手ぇとぉ」は「手をつなぐ」の意。「手~と~手と手とつないで♪」という保育所で習った歌の出だしに由来していて、1歳ごろからずっと使っている。「パイトする」は「走る」の意。「パイト」とは「ファイト」のことで、保育所の運動会で走ったときに「ファイト、ファイト!」と先生が言っていて、いつからかそれが動詞になった。「あいと」する、という動詞もあった。これは「愛と 勇気だけが友達さ♪」というアンパンマンの歌詞から付けた言葉らしく、アンパンマンが空を飛んでいる様子を「『あいと』しちょー」と言っていた。

 かわいい「間違い語」を耳にするたび「また聞けたぞ!」と、ひそかにガッツポーズしてしまう。未完成が完成に近づくのは、さみしいのだ。

 (文化生活部・増田枝里子)

 =毎週土曜掲載=

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