近ごろ、日が暮(く)れた後の東の空に輝(かがや)いている星は木星です。
木星は太陽の周りを回る惑星(わくせい)の一つです。直径が地球の11倍もある最大の惑星で、それが太陽の光を反射(はんしゃ)してたいへん明るく見えています。地球に距離(きょり)が近い金星も明るく光る惑星ですが、「よいの明星(みょうじょう)」、「明けの明星」というように、日暮れ後か夜明け前にしか見えません。一方、木星は夜中にも見えることがあるため、「夜半(よわ)の明星」と呼(よ)ばれます。
それほど明るい木星は、ほかの星と違(ちが)って月が近くにあってもよく分かります。今日10月29日は、満月と木星が並(なら)ぶので見ごたえがあることでしょう。午後7時ごろなら東の空に出ていて、その二つを双眼鏡(そうがんきょう)で一度に捉(とら)えられるほど接近(せっきん)しています。
もし天気が悪くて見逃(みのが)したとしても、来月11月25日にもまた月が木星の近くにやってきます。同じ午後7時でしたら真東よりもやや南寄(よ)りに、木星と満月に少し足りない月が前月よりももっと接近して見えます。さらに翌月(よくげつ)の12月22日にも、その時刻(じこく)には南の空高くで、今度は半月よりやや太った卵形(たまごがた)の月が木星に寄り添(よ)います。
そんな、二つの並ぶ位置や、そのときの月の形なども気にしながら、空で目を引く木星と月の出会いを見てみてください。
(島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(たけうちみきまさ))
=隔週掲載(かくしゅうけいさい)=