雲南市と島根県奥出雲町にまたがる尾原ダムで14日、普段は水の中にあるダム設備の点検が公開された。ダムの下部にあり、放水速度を抑えるために一時的に水を貯(た)める構造物の「減勢工」の水を抜き、設備内部に作業員が入り状態を確かめた。
減勢工は高さ23メートル、長さ85メートル、幅65メートル。通常は約15メートルまで水がたまっている。点検のため、午前10時から4時間かけて減勢工の水を抜くなどして水位を10メートルほど下げた。ダムの上部から約70メートル下に貯水位維持用の放流設備(直径2・6メートル)2門、洪水調節用の放流設備(同4・5メートル)2門が姿を現した。
作業員3人がクレーンでつり下げられたゴンドラに乗って移動し、貯水位維持用の放流設備の内部に入り、目視で異常がないか確認した。
国土交通省出雲河川事務所の森脇央(ひさし)管理第2課長は「点検、整備することで有事の際に支障がないよう、引き続き管理していく」と話した。15日は洪水調節用放流設備を点検する。(狩野樹理)