本来は体色が赤や赤茶色をしているタゴガエルの黄色の成体を、江津市嘉久志町の主婦、田中美代子さん(73)が自宅玄関脇で見つけた。生態に詳しい広島大両生類研究センター(広島県東広島市)の三浦郁夫教授(64)は「鮮やかな黄色で驚いた。見たことがない」とし、寄贈先の水族館アクアス(浜田市・江津市)で展示している。
10月26日夕方、自宅玄関脇の壁にタゴガエルの変異個体を田中さんが発見。話を聞いた義娘の田中みゆきさん(48)=江津市江津町=が、三浦教授に写真を送って問い合わせたところ、本来ある赤や黒の色素がなく、黄色、光を反射させる虹色の2種類しかない珍しい個体と回答を受けた。体長4・5センチの雌で体内に卵を持っており、遺伝子の突然変異とみられるという。
変異個体を広く見てもらおうと、30日寄贈。バックヤードで餌付けや健康状況を確認し、問題がなかったことから公開とした。
田中みゆきさんは「無事に広く見てもらえる機会ができてうれしい」と話し、アクアス魚類展示課の伏見純係長(49)は「水辺に近い山に住むタゴガエルは非常に見つけにくい。江津市内にいる身近な生き物として観賞してほしい」と呼びかけた。(村上栄太郎)