隠岐諸島で自生地が急減しているハマナスを保護しようと、島根県隠岐の島町の小学生たちが22日、隠岐空港駐車場(隠岐の島町岬町)の花壇に苗を植えた。空の玄関口で隠岐の自然の豊かさと保護活動を来島者にアピールする。
砂地と寒い気候を好むハマナスは山陰地方が日本海沿岸で南限とされる。隠岐諸島には同町と西ノ島町に複数の自生地があったが、開発や気候変動で減り、隠岐ジオパーク推進機構が調べたところ、隠岐の島町の布施、中村の両地区でわずかに残るのみとなっていた。地元の人が同機構や町役場、同町中村の北小学校と協力して株分けしたり、種を発芽させたりして保護活動に取り組んでいる。
この日はプランターで育てた30本の苗を北小の児童15人が花壇へ丁寧に植え付けた。踏まれないようにと板に日付と「中村のハマナス」とペンで書き、思い思いのイラストを加えて看板を完成させた。苗はうまく根付けば花壇の土中から次々と新芽を出し、3年後までに花を咲かせるという。
5年の平木結羽(ゆう)さん(11)は「植えるのは難しかったけど、みんなと協力してできたのは楽しかった」と話した。(鎌田剛)