試験点灯で幻想的な景色が浮かび上がった旧JR三江線宇都井駅=島根県邑南町宇都井
試験点灯で幻想的な景色が浮かび上がった旧JR三江線宇都井駅=島根県邑南町宇都井

 地上約20メートルにあり「天空の駅」と呼ばれた旧JR三江線宇都井駅(島根県邑南町宇都井)を照明が彩る「INAKAイルミ」の試験点灯が23日夕、現地であった。関係者がイルミネーションの光をともし、出来栄えを確かめた。24、25の両日、日没後に点灯する。

 地元住民でつくる実行委員会が10月末から準備を始め、約10万球の発光ダイオード(LED)を設置した。日没後、関係者のカウントダウンですべてのLEDが点灯すると、幻想的な景色に歓声が上がった。駅近くの畑は稲穂に見立てた光ファイバーやドーム型の照明で彩り、駅を支える柱は青い照明で飾った。

 イルミネーションは実行委が廃線前の2010年から続ける。駅周辺で屋台の出店があるほか、沿線の活性化に取り組むNPO法人江の川鉄道によるトロッコの夜間運行(有料)もある。三次宏昭委員長(67)は「ぜひ多くの人に見に来てもらいたい」と来場を呼びかけた。

 両日とも午後8時半ごろまで点灯する。トロッコは午後5時から40分ごとに午後7時40分まで運行。会場周辺には駐車場がなく、羽須美中学校グラウンドからシャトルバスを運行する。(吉野仁士)