生演奏をバックに書道のパフォーマンスを披露する五風会の会員ら=益田市大草町、北仙道公民館
生演奏をバックに書道のパフォーマンスを披露する五風会の会員ら=益田市大草町、北仙道公民館

 島根県西部を中心に活動する書家団体「五風会」が2日、益田市大草町の北仙道公民館で、書の魅力を伝える展覧会を開いた。石見に紙すきを伝えたとされる益田市ゆかりの万葉歌人・柿本人麻呂をテーマに、石州和紙のたこに書いた作品を展示し、生演奏の音楽をバックに書のパフォーマンスを披露して、来場者を楽しませた。3日まで。入場無料。

 書を通じて芸術を身近に感じてもらおうと、開いた。浜田市や江津市で開く巡回展で、益田市では初めて開催した。

 益田展のテーマは今年、没後1300年を迎えた益田市ゆかりの歌聖・柿本人麻呂。たこや着物の形にした石州和紙に作品を書き、歌を題材にした作品など100点以上が並ぶ。

 書道パフォーマンスもあり、県指定無形民俗文化財「益田糸操り人形」の三味線と唄、地元バンドの演奏をバックに会員らが前衛書を披露した。

 会場には10月に亡くなった島根書道会会長、五風会会長を務めた書家・佐々木龍雲さんの遺作も並ぶ。テーマは生前に龍雲さんが提案し、会員が準備を進めてきたという。同会益田地区幹事で展覧会の責任者、都野守(つのもり)和美さん(63)は「先生もどこかで見てくれていると思う。飛び散った点や線、余白も作品の一部。文字にとらわれない奥深さを知ってもらいたい」と話した。

3日は午後3時まで。
(藤本ちあき)