専用車両から降りて水族館アクアスに向かう観光ツアー参加者=江津市波子町、JR波子駅
専用車両から降りて水族館アクアスに向かう観光ツアー参加者=江津市波子町、JR波子駅

 乗客の少ない島根県西部のJR山陰線の利用促進につなげようと、出雲高校2年生3人が企画した貸し切り車両での日帰りツアーが3日あり、県東部の高校生を中心とした10~29歳の参加者80人が、水族館アクアス(浜田市・江津市)までの鉄路の旅を楽しんだ。

 通学に鉄道を使う高校生が路線の大切さを呼びかける狙いで企画。JR西日本山陰支社の協力で通常の特急列車に専用車両2両を加えた。参加費は、アクアスの協力や県内高校生が地域課題解決に挑む「しまね未来共創チャレンジ」の支援金を活用し、高校生以下500円、一般千円に抑えた。

 参加者は松江や出雲で乗車し車内で沿線の甘味を味わい、車窓からの景色を楽しみながら波子駅(江津市波子町)に到着。アクアスでシロイルカのパフォーマンスやバックヤード見学など約2時間半楽しんだ後、列車で帰路に就いた。

 出雲高3年の福間日南子さん(18)は「コロナ禍で中止になった修学旅行の代わりに、友人と楽しめた」と喜び、主催した岡本飛和さん(17)は「列車利用のきっかけづくりとして、今後も計画したい」と意気込んだ。

 JR西によると2022年度の山陰線出雲市-益田間の輸送密度(1キロ当たりの1日の平均乗客数)は860人で、20~22年度平均の赤字額は33億1千万円。

      (村上栄太郎)