プロジェクトを発表する高校生たち=松江市白潟本町、松江スティックビル
プロジェクトを発表する高校生たち=松江市白潟本町、松江スティックビル

 島根県内の高校生が地域課題の解決に挑む「しまね未来共創チャレンジ」のプロジェクト発表会が23日、松江市内であった。参加20チームが、山陰にインバウンド(訪日客)を呼び込むための動画作成や、JR山陰線の利用促進といった独自のアイデアを披露した。

 プロジェクトは高校生1~4人のチームで計画を練り、20チームの計53人が参加した。

 松江商業と松江北の1年生2人でつくるチームは、新型コロナウイルス対策の緩和で戻りつつある訪日客に着目。観光客や飲食店関係者に取材し、外国人に向けた観光地の魅力発信動画を、今夏中に作成するとした。松江商業の森山紗菜さん(15)は「山陰の豊かな自然を海外の人にも知ってほしい」と強調した。

 出雲高校2年の3人は、一部区間がJR西日本管内最大の赤字額となっている山陰線の出雲市以西を盛り上げたいと主張。列車の貸し切りツアーなどを企画し、地域住民に利用促進の重要性を広める計画を示した。同校の岡本飛和さん(16)は「沿線風景や列車の利便性をみんなで考えていきたい」と訴えた。

 発表した20チーム全てが支援対象に決まり、1チーム当たり最大10万円の活動支援金が贈られる。

 プロジェクトは教育魅力化による地方創生に取り組む一般財団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」と、TSKグループの基金・さんいん未来縁人(えんじん)の主催で、山陰中央新報社など県内の企業や団体が協賛。12月に活動の成果発表会を開く。(清山遼太)