丸山達也島根県知事
丸山達也島根県知事

 島根県の丸山達也知事が4日、島根原発1号機(松江市鹿島町片句)の廃炉工程を4年延長する中国電力の計画について「着実に実施することが必要だ」と述べ、事前了解する考えを県議会で表明した。

 中電との安全協定に基づき、正式回答する。地元同意が完了し、中電は近く、原子力規制委員会に計画の変更を申請する。

 中電は、当初2045年度とした廃炉完了時期を49年度に延期する計画の変更を規制委に申請するため、8月に島根県と松江市に事前了解を求めた。青森県六ケ所村の再処理工場が未完成で、1号機に貯蔵する使用済み核燃料の搬出にめどが立たないのを延期の理由に挙げた。

 県は、原子力安全顧問会議や安全対策協議会を開き、専門家や住民代表から意見を聴取。県議会と、周辺自治体の原発から半径30キロ圏の出雲、安来、雲南、米子、境港5市と鳥取県の容認判断などを受けて、事前了解を決めた。

 廃炉作業は4段階に分かれており、1号機は現在、汚染状況の調査などを進める第1段階。規制委の認可を受けた上で、中電は24年度から使用済み核燃料の搬出が必要となる第2段階に移行する。

 1974年に運転開始した1号機は、2015年4月に運転終了し、17年7月に廃炉作業に着手。使用済み核燃料の搬出は08年9月を最後にできておらず、約123トン(722体)が貯蔵されている。
(高見維吹)